最後の晩餐

最後に食べたいものはなんですか?

よくあるこの質問。
就職で我が家を出ていく息子に聞いてみたら、「肉じゃがと大根の味噌汁」でした。
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なんだか粗食なのね。それがきみにとっての「おふくろの味」なのかしら。

きみが生まれてわずか8カ月から母は仕事に復帰し、
まだ時短勤務もない時代のフルタイムワーカー。
家庭を顧みない夫と離婚して9年、
シングルマザーになってからは土日なく残業だらけの職場になり、
毎日の食事も大したものは作ってやれなかった。
夫が借金を残した上にお給料も安かった頃は、
月1回のお給料日を「外食の日」にして、日々の粗食を我慢したのもよい思い出。
最後くらいは腕をふるおうかと思ったけど、最後こそ普段通りがいいのかもしれない。


離婚して9年、息子は18歳。
ちょうど人生の半分を父親なしで、この足りないところだらけの母に育てられたことになります。

親としてもっとしてやれることがあったはずではなかっただろうか。

キャッチボールの相手、髭の剃り方、女の子との付き合い方・・・
女親では請われても応えられないことも多かった。

それでもこうして曲がりなりにも立派な青年に育ち、
いま自立して親の元を出ていく。


肉じゃがよりもっといいものをきみに与えられたならよかったのに。
今さら後悔したところで、きみにしてあげることはもうあまりないらしい。
願うのはこの先のきみの幸せだけです。

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