踊るしかないんだよ

踊るんだよ。音楽の続く限り。

そんな言葉が、不意に夢に出てきました。
青春時代に読んだ小説の一節。
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村上春樹の初期連作小説の最終編「ダンス・ダンス・ダンス」。

孤独と空虚の迷路にはまり込んだ主人公の、
「それで僕はいったいどうすればいいんだろう?」という問いかけに、
羊の皮を被った「羊男」がこう答える。

「踊るんだよ。音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。」
「何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。そんなことを考えだしたら足が停まる。」
「どれだけ馬鹿馬鹿しく思えても、そんなこと気にしちゃいけない。きちんとステップを踏んで踊り続けるんだよ。そして固まってしまったものを少しずつでもいいからほぐしていくんだよ。」
「あんたは確かに疲れている。疲れて、脅えている。誰にでもそういう時がある。何もかもが間違っているように感じられるんだ。だから足が停まってしまう。」
「でも踊るしかないんだよ。それもとびっきり上手く踊るんだ。みんなが感心するくらいに。」
「踊るんだよ。音楽の続く限り」

政治渦巻く会社の中を、利害からまる仕事の世界を、足取り軽く走り抜けているようで、
いつも誰かの言うことに踊らされている。

でもきっとそれでいいんだ。
きちんとステップを踏んで踊ってさえいれば。
とびっきり上手くはないけれど、みんなが「楽しそう」と感心するくらいには、まだ踊れている。

さあ明日も踊る、この音楽はいつまで続くのだろう。

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